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2008/03/17

光ファイバーとADSL 1

最近パソコンサポートの訪問先などでADSLを使っている方から、光ファイバーに変えた方がよいのでしょうかと言う質問をよく受けます。
また、ブロードバンド化が広く行き渡ったため、回線業者やプロバイダの顧客獲得競争が激化して、既に光ファイバーを利用している方に、「ADSLでも光と同様の速度が出ますよ」と言うような電話勧誘まで行っているようです。
なかにはそのような勧誘電話で、光をADSLに変更して、後で後悔されている方も見かけます。
私は、数年来光ファイバーを利用しており、パソコンサポートで光ファイバーやADSLの設定作業を行っており、初心者の方のために「光ファイバーとADSLの違い」について、何度かに分けて書いてみようと思います。
ブロードバンドについて書くなら、ケーブルテレビ回線についても書くべきなのですが、ケーブルテレビ回線は全くさわったことがないため、今回は光ファイバーとADSLについてのみ比較してみたいと思います。
また、私は「eo光」を利用しており、「eo光」は関西地区のみに提供されているため、関西地区以外の方には全てが当てはまるとは限らないことをお断りしておきます。

回線速度

「光ファイバー」(以後Fiber To The Homeの略のFTTHを使用)とADSLを比較する要素は幾つかありますが、今回は回線速度についてです。
通常、回線業者などから公表されている回線速度では、FTTHが速いのは言うまでもありません。
現在(2008年3月)のところ、多くはFTTHでは100Mbps、ADSLでは速いものでも50Mbps位です。
しかし、現実には100Mbspとか50Mbpsなどという速度が出るわけではありません。
回線業者から示される回線速度は、理想の環境での最高速度であり、通常は示された速度よりかなり遅いものです。

速度低下の原因

速度が遅くなる理由は一つではなく、色々な環境の影響があります。
主なものは次のようなものです。

・ユーザー側の環境
使用するパソコンのOSやハード面での性能。
ルータ等の使用の有無や性能。
セキュリティソフトの影響。
・回線の環境
回線共有数や共有者の使用状況。
回線業者やプロバイダのインターネットへの接続回線の容量や品質。
・通信相手の環境
通信相手の使用するサーバの性能。
通信相手のサーバへのアクセス数や、アクセス回線の品質。

これらはFTTH,ADSL共に回線速度に大きな影響を与えます。

ADSL特有の速度低下原因

ADSLにおいては、さらに次のような影響が加わります。

・NTT電話局からの距離
NTTの電話局から3~5km以上の距離がある場合、速度は大きく落ちるようです。
・ISDN回線の影響
ADSLの流れるケーブルの近くに、ISDNの流れるケーブルがあると、その影響を受けます。
・高圧電線や変電所
近くに高圧電線が通っていたり変電所などがある場合、その影響を受けます。
・宅内の環境
モジュラージャックとADSLモデムを長い電話線で接続しなければならない場合や、プロパンガスの自動検針、インターフォンの応答とNTT電話の共用、宅内配線の品質等、様々な宅内の環境で接続が不安定になったり、接続できないなどの影響を受けます。

これらの影響については、ADSL特有のものでありFTTHでは影響を受けません。

公表速度と実際の速度

回線業者がカタログなどで公表している回線速度は、速度低下に影響する要素が全くない状態での理論値であり、現実には公表値通りの速度が出ることはまずありません。
特にADSLにおいてはADSL特有の影響が大きく、公表値では50Mbpsなどの高速であっても現実には3Mbps程度と言うことも多く、条件によっては1Mbpsも出ないこともあります。
私の経験では、多くは3~5Mbps程度以下であり10Mbpsを超えるようなケースは希であると言えます。
FTTHでは、使用するパソコンやルータ等の性能、相手側サーバの環境等に大きく影響を受け、条件さえ良ければ70~90Mbps程度の速度は十分に出ます。

下りと上りの速度差

これまで書いてきた回線速度は「下り」方向の話であり、「上り」方向ではFTTHとADSLでは大きく異なります。
ADSLでは、「下り」はたとえ10Mbpsの速度が出ても、「上り」では1Mbpsも出ないケースがほとんどです。
FTTHでは、「上り」と「下り」はほぼ同じ速度が出ます。
インターネットサイトの閲覧等では、相手サーバからデータをダウンロードする速度、つまり「下り」の速度が十分に出れば問題ないのですが、大きなファイルを交換するなど大容量のデータを送る場合には、「上り」の速度も十分速くなければ快適に使用することは出来ません。

体感速度

最後に現実の使用感について書いておきましょう。
今までに書いてきた内容では、現実の回線速度についてFTTHはADSLより遙かに速いと言えます。
しかし、インターネットを使ってWEBサイトから通常の情報を得たり、メール交換を行うといった使用方法においては、FTTHがADSLより劇的に速いと感じるものでもありません。
動画サイトや大きなサイズの写真等を多く含むサイトでない限り、体感的に感じる速度はFTTHもADSLもそんなに変わらないことが多いものです。
適切に作られたWEBサイトなら、ADSLの速度でもストレス無く閲覧できます。

以上のようなことから、FTTHとADSLに次のような事が言えます。

  1. FTTHは、ほぼ確実に十分な回線速度が得られるが、ADSLは環境によって得られる速度は大きく変わり、条件が悪ければ使えないこともある。
  2. ADSLでも、条件が良く十分な速度を得られれば、通常のインターネットでのサイト閲覧やメール交換程度なら十分快適に使えるが、容量の大きい動画サイト等を閲覧するなら、FTTHのほうが遙かに快適に使用できる。
  3. 大容量のファイルを交換するなど「上り」の速度が必要な場合は、FTTHの方が遙かに有利である。

次回は費用について考えてみることにします。

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